私達は「シルクロード雑学大学」というサークルで「ツール・ド・シルクロード 20 年計画」を行なっています。これは、中国の西安からイタリアのローマまで続く古代シルクロードを 20 分割し、 20 年かけて自転車で見聞する試みです。 1993 年に中国の西安を出発し、 2012 年にイタリアのローマへとゴール予定。昨年の 11 回目は、イランのバムからペルセポリスまで、約 1070 qを 10 日間で走破。これまでに約 300 名が夢を追っています。
04年の遠征途中で 03 年の 12 月 26 日、イランのバムで発生した大きな地震の情報を知りました。「 10 万人の市民の中、 8 割が命を奪われ、家族も親戚も失った孤児が 5800 人発生した」と被害の大きさを伝えていました。そこで、私達は、 400 qほどルートを変更し、地震で孤児となった0歳の乳児などの暮らしている孤児院を訪問し、義援金や文房具を贈り、激励してきました。
帰国後、孤児院の院長から「バムでは、地震でケガをして歩けなくなった子どもたちがいるので、日本の中古の車いすを提供してほしい」とのメッセージが届きました。
今年の『ツール・ド・シルクロード05』は、 4 月 28 日から 5 月 16 日の日程でトルクメニスタンのマリーからイランのケルマンまでの約 1200 qを走り、さらに、車でバムへと向かい、子どもたちを激励してくる予定です。「空飛ぶ車いす」の協力をいただければ、バムの地震で行動の自由を奪われた子どもたちに車いすを届け、外で遊んだり、将来の夢を描けるようにしてあげたいと思います。
私は、 10 歳の時に新潟地震を体験しています。バムの地震を伝える報道に接し、立っていられないほど波打つ大地、石油コンビナートの火災、列車が止まり 1 ヵ月以上も父が帰宅できなかった事などを思い出しました。地震の恐怖を、 40 年後の今でも思い出すのです。
日本は 10 年前の神戸阪神大震災、中越地震など災害大国です。自分たちの地震の体験を踏まえて、バムの子どもたちを精神的な面からも支えることができると思っています。「空飛ぶ車いす」は、日本とイランの子どもたちの相互が成長するための掛け橋となる国際交流だと確信しています。
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